非理系の社会人が1か月でG検定に合格した話
2024年の11月開催のG検定を受験し、無事合格しました。
これまで受験した資格に比べて骨が折れたので、備忘録を記しておきます。
受験のきっかけは、会社で受験が推奨になったことでした。
10月2日に推奨のアナウンスが出たのですが、その時点で最速の受験日は11月8日、その後の開催は年明け。
まあ年末年始のイベントに勉強期間が被らない方が良いだろうと思い、さっそく申し込みました。
G検定とは?
G検定は、日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する、AI・ディープラーニングの基礎知識を問う検定試験です。
実際受けてみて、ITパスポートのAI版みたいな感じだなと思いました。
2週間でITパスポートに合格したときの受験記はこちら
生成AIパスポートとは何が違うの?
ITパスポートのAI版というと、どうしても生成AIパスポートがあるのが気になりますよね。
G検定の公式サイトでは以下のように説明されています。
AI・ディープラーニングに関わる全ての方が受験対象です。
AI・ディープラーニングについて体系的に学ぶことで、「AIで何ができて、何ができないのか」「どこにAIを活用すればよいか」「AIを活用するためには何が必要か」が理解でき、データを活用した新たな課題の発見やアイデアの創出が可能になる、デジタル施策の推進に自信が持てるようになるなど、あなたのビジネスやキャリアの可能性が飛躍的に広がります。
引用:https://www.jdla.org/certificate/general/
一方、生成AIパスポートは、私は受験していませんが公式サイトによれば以下のように説明されています。
生成AIパスポートは、AI初心者のために誕生した、生成AIリスクを予防する資格試験です。AIを活用したコンテンツ生成の具体的な方法や事例に加え、企業のコンプライアンスに関わる個人情報保護、著作権侵害、商用利用可否といった注意点などを学ぶことができます。本資格の提供を通じて生成AIリスキリングを促し、生成AIを安全に活用するためのリテラシーを有する企業・人材の可視化を推進しています。
引用:https://guga.or.jp/outline/
強いて言えば生成AIパスポートの方が実務に寄っていそうな説明文ですね。
結局のところ、どちらを受けるきっかけがあったか程度の違いのように感じます。
G検定の受験方法
G検定は自宅のPCで受験することができます。
テストセンターのPCで受験するCBT形式の資格試験も増えていますが、自宅のPCで受けられるのは珍しいですよね。
つまり、
回答時に何を見ていてもバレないということです。
これは開催者側も織り込み済みで、むしろ調べて正解を出せるのなら調べ方も含めて実技とみなしているとのことでした。
その分かなり問題数が多くなっています。
私が受験した時は120分で160問でしたが、一番多いときは200問近かったようです。
全て調べて答えるほどの時間はなく、ある程度基礎知識が頭に入っていないと回答が終わらないようにしているそうです。
とはいえ後述しますが、自信がない問題にチェックを付けておいて、見直すときに片っ端から検索するぐらいの時間はありました。
チケットを購入してから日付を選ぶ
ITパスポートなどは、受験申込となると日付を選んで入金しますが、G検定の場合はまず受験用のチケットを購入します。
そのチケットで、特定の日程に申し込むという形です。
購入・申し込みの2回作業があるので面倒にも感じますが、払い戻しをしなくてもキャンセルができるのはメリットですよね。
ちょっと勉強間に合わないかも・・・と思ったときは、すぐにマイページから受験をキャンセルできます。
G検定勉強のために用意したもの
私はAIについてほぼなんの知識もありませんでした。
chat-GPTもロクに使ったことがなく、しょっちゅう私の言葉を聞き取ってくれないアレクサと喧嘩しています。
そんな状態から1か月で合格せねばならぬということで、教材は絞ったほうがよいだろうと判断しました。
というわけで用意したものは以下です。
テキスト(公式)
テキストは公式・非公式色々出ていますが、
昔から、主催者公式のテキストが一番実際の問題に近いと相場は決まっているわけです。
(諸説あります)
というわけで私は公式テキストを買いました。24年12月末時点では第3版が最新です。
深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第3版
しかしこのテキスト、とにかく分かりづらい、取っつきにくい。
AIについて熟知している学者さんが書いたのかな、という印象です。
事前知識がない状態で読むと、
章末の練習問題に知らない単語が出てきて分からない→次の章でその単語が初めて解説されるということが頻発しました。
もしこのテキストを買うなら、一旦章末問題は無視して1冊読み切ってから取り掛かるのをおすすめします。
といっても全体的に体系化もいまいちで、ある単語に対する情報が色々なページに散逸しているのも事実なので、初学者はこれ以外のテキストを選んだ方が無難かも。
実際に受験してみた感じでも、このテキストを使っていたから得したぜ! という印象はありませんでした。
問題集(赤本)
さて、公式テキストを3周読んだころ、このままではいけないという焦燥感にかられ、問題集を購入しました。
G検定の問題集は、通称「赤本」「黒本」と呼ばれる王道の問題集が2種類あります。
最短突破 ディープラーニングG検定(ジェネラリスト) 問題集 第2版
徹底攻略ディープラーニングG検定ジェネラリスト問題集 第3版 徹底攻略シリーズ
私はそのうち「赤本」を購入しました。(画像上)
完全に好みの問題だと思いますが、赤本の方が問題の解説に図が豊富で、かなり1問1問手厚く解説しているのが気に入りました。
公式テキストが分かりづらかったので、解説がしっかりしている方がいいなと思ったためです。
こちらはどちらが圧倒的に優れているということもないようなので、上記のリンクなどからサンプルを見て、解説の書きっぷりが自分好みのものを選べばよいと思います。
自作のカンニングペーパー
さて、G検定は前述の通りカンニング可能なテストです。
私は知識の定着ついでに、勉強しながらカンペ作りに勤しみました。
ちょっと自信がないとか、毎回間違えるとか、なんでこのページにこの知識が一緒に書いてないんだよ! というようなことを、自分好みにOnenoteにまとめていきました。
ただ誤算は、Onenoteの検索機能はデフォルトがページ単位という点でした。
私はページごとにタイトルを付けてブックにまとめていったのですが、単語で引き当てようとすると、ブック全体を対象に検索にかけるには少しタイムロスがありました。
(ページ検索→ブックで再検索しないといけない)
もう一度作るなら、ワードに構造化してまとめるか、Onenoteでも1ページにまとめます。
参考にしたYouTube
当然ですがG検定に特化した対策動画をアップしているYouTuberの方もいます。
私もFP検定の時はその手のYouTuberにお世話になりました。
G検定に関してはあまりハマらなかったので、
ヨビノリたくみさんの動画(予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」チャンネル)で基礎知識を固めました。
とくに畳み込み処理は何度テキストで読んでもイメージがついていなかったので、このへんの解説動画が本当にありがたかったです。
G検定を受験した感想
私自身がゴリゴリの文系なのもあって、シラバスはなじみのないものも多く、勉強中は過去1でしんどかったです。
本末転倒ですが、深めの知識を問う問題と計算問題はもう捨てるしかないと思ったので、とにかく歴史系の覚えていればよい問題は落とさないようにしようと決意しました。
簡単だとは思わなかった
G検定、7割近くが合格する試験ですが、思った以上に難しかったです。
私の周りでも落ちた人は普通にいました。
受験者の内訳を見ると(こちら)、研究・開発(31.4%)、情シス・システム企画(15.3%)で45%超を占めています。
さらにこのマイナー資格を受験する学生(11.9%)ってほぼ情報系の学生さんじゃないかと思います。
それを加味すると約半数は前提知識が一定程度ある人なのではないでしょうか。
というわけで、極論ですがもしも残りの半分の受験者で残りの合格枠を分け合うとしたら、合格率は4割弱ですよね。
前知識がないという自覚があるならかなりしっかり勉強しないといけないと思いました。
(参考)私の受験結果
さて、私の成績は以下です。
有言実行というか、なんというか・・・。
■合否結果
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【 合 格 】
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総受験者数 6,850名
合格者数 5,027名
■シラバス分野別得点率(小数点以下切り捨て)
1.人工知能とは. 人工知能をめぐる動向:100%
2.機械学習の概要:64%
3.ディープラーニングの概要:82%
4.ディープラーニングの要素技術:77%
5.ディープラーニングの応用例:76%
6.AIの社会実装に向けて:72%
7.AIに必要な数理・統計知識:0%
8.AIに関する法律と契約. AI倫理・AIガバナンス:73%
おい、こんなやつ合格させるな!!!
と思わんでもないですが、合格してしまったものは仕方ありません。
対策教材がまだまだ少ない
G検定は、まだ歴史の浅い検定です。
それだけに、テキストや問題集が一般的な資格試験に比べて少ないと思いました。
過去問もそれほど多くないですし、過去問道場的なサイトも有志がやってくれているものしかありません。
問題をガンガン回して知識を定着させたい人には、対策が結構きついかもしれません。
少し早めに勉強を始めるなど、なんとか一回で合格できるように頑張りましょう!
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