思い立ってから2週間でITパスポートを取得した話

中学生の時に取った英検(しかも3級)と運転免許しか資格を持っていないのが小さなコンプレックスで、ITパスポートを受験することにしたのが1月24日。

 

2月頭に受験して無事取得しましたので、やった勉強法となぜ短期間で合格できたかを書き残しておこうと思います。

これから受験する人の準備のために、参考になれば幸いです。

 

最短で取れる国家資格「ITパスポート」とは?

ITパスポート通称「iパス」は、公式サイトによれば、

ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験とされています。

 

デジタルと現実の境目が徐々にあいまいになっている昨今、もはやITリテラシーは基礎教養ともいえる生活必需スキルになっています。

 

ただ面白いのは、ITパスポート試験で問われるのは、

新しい技術(AI、ビッグデータ、IoT など)の概要に関する知識や、IT(セキュリティ、ネットワークなど)といった、

いわゆる「IT」と聞いて私たちが思い浮かべる「技術」的なことだけではないという点です。

 

経営全般(経営戦略、マーケティング、財務、法務など)プロジェクトマネジメントの知識など、

企業で働く人材として備えておいたほうが良い教養についても幅広く問われる、いわば社会人総合知識試験です。

 

これを「試験範囲」と思うと気が重くなる方もいらっしゃると思いますが、

これに合格することで社会人の素養を備えていると証明されると思うと、少し元気が出てきませんか?(そうか?)

 

きっかけはQuizKnock「たった10日の勉強で国家資格受験してみた」

今回ITパスポートを取ろうと思ったのは、QuizKnockのこちらの動画がきっかけでした。

 

QuizKnock「たった10日の勉強で国家資格受験してみた」

ITパスポートに挑戦したのはふくらP氏(真ん中)

 

「10日で取れる」にラインナップされる良コスパ国家資格で、実際に天才は10日で取得してるんだし・・・

凡人の私も1か月くらい勉強したらなんとかなるんじゃないか!?

と、勢いそのまま本屋に行きました。

 

ITパスポートは参考書を買うべきか?

無料のアプリと過去問だけで対策する方も多いそうなのですが、私はあえて紙の参考書を購入しました。

 

というのも、ふくらP氏が動画で

「勉強していた内容と最新のカリキュラムが変わっていて、出題範囲が全く違ってしまっていた」

と話していたからです。(それでも直前に追い上げて受かっててすごい)

 

個人的には、

無料のものはリスクを自分で背負わなければいけない、お金を出して安心を買う、

という気持ちで、「令和5年最新版」「シラバス6.0」と書いてあるものから選びました。

 

個人的に参考書を選ぶときのポイント

ITパスポートはかなりメジャーな資格なので、参考書もめちゃくちゃ種類があります。

 

特に比較的大手のものは「キタミ式」「いちばんやさしい」「かんたん合格」シリーズですが、

どれもきちんと最新情報にアップデートされていて、内容自体に大きな差はありません。

 

ただ、やはり相性はあります。

 

試験範囲が広く浅い試験なので、自分に合うものを選ばないとそこそこきついです。

そこで、参考書を選ぶときの個人的なおすすめポイントが以下です。

 

①どれでもいいので1冊手に取り、索引から自分が理解している自信のある単語を探す

②同じ単語を他の参考書でも読んでみる

③一番しっくりくる説明がされている参考書を選ぶ

 

かんたんですが一番確実な方法だと思います。

 

おすすめ参考書「いちばんやさしい ITパスポート」

私が買ったのはこちら。

 


【令和5年度】 いちばんやさしい ITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集

 

決め手は、

・キャラクターが吹き出しで喋ったりしていなくてシンプル

・専門用語と噛み砕いた説明の比率がちょうどよかった

・ストラテジ系から始まるので個人的に取っつきやすかった

 

ふくらPが選んだ「徹底攻略」シリーズ

私が受験を決めた動画でふくらPが買っていたのは「徹底攻略」シリーズ。

 

ふくらPが参考書を選んだ時のポイントは、

「かんたん」「やさしい」などの文言が入っていない=説明が省かれているため文章量が少ないでした。

短期集中ならではの着眼点ですよね。

 


(全文PDF・単語帳&過去問アプリ付)徹底攻略ITパスポート教科書+模擬問題 令和4年度 (徹底攻略シリーズ)

 

過去に挫折した参考書「キタミ式」

ちなみに私は社会人1年目のとき、IT企業に入ったんだし取らなきゃ!と思ってテキストを買ったことがあったのですが、挫折しました。

その時に買ったテキストはこちら。

 


キタミ式イラストIT塾 ITパスポート 令和05年

 

イラストがたくさんで分かりやすいかな~と思ったのですが、

当時(今もかも?)の並び順的に、テクノロジ系から始まるタイプの参考書でした。

 

メモリ!ファイアウォール!2進数と10進数と16進数!みたいな、

一番苦手意識のあるところから始まっていたので、テキストを開くのがいやになってしまいました。

 

私みたいに、なんとなく一番前からこなしていきたいというタイプでもなければ、好きなところ、わかるところからつまみ食いしていくのもいいと思います。

私タイプの人は、自分の得意分野からスッと学習に入れる参考書を買うと、相性がいいかもしれません。

 

ITパスポート勉強でうまくいったこと

というわけで、「いちばんやさしい」参考書を買ってきました。

 

15章あったので、「1日1章読んで~1か月後くらいに受けようかな~」と思っていたのですが、

結果的に参考書を買った14日後に受験することになります。

 

勉強時間は約20時間でした。

元々、きちんと勉強すれば合格率の高い試験ではありますが、これまでの数年間の仕事経験が生きたのが嬉しかったです。

詳しく説明してみます。

 

5年間で知っていることが増えていた

「いちばんやさしい」参考書がフィットした理由の一つに、ストラテジ系から始まるからと書きました。

 

ITパスポートの試験範囲は、

ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系に分かれていて、そのすべてでバランスよく得点することが必要になります。

 

ストラテジ系は、いわゆる経営戦略や法務知識などの分野で、

これ大学でやったやつだ!!!(法学部法律学科卒)

となったので、とっつきやすかったんです。

 

実を言うと、私は今回参考書を開くまで、ITパスポートで法学知識が問われるとは知りませんでした。

前回は、テクノロジ系から始まる参考書を買って、早々に挫折してしまったので。

 

試験範囲が広いということは、たまたま自分が既に知っている知識が混ざっている可能性も高いということです。

 

さらに進めていくうち、テクノロジ系にも知っていることが多いことに気づきました。

私はIT企業と広告代理店をうろうろしているので、特に無線通信の分野と印刷技術の分野では過去の業務知識に助けられる部分が多かったです。

 

たとえば大抵の社会人が知っている「TO」「CC」「BCC」の使い分けなんかも、出題範囲です。

 

意外に、社会人として過ごしているうちに身についている知識が役立つかもしれません。

そんなときは、分厚い参考書のページを飛ばせるので快感でした。

 

でたらめな選択肢がないので消去法が使える

ITパスポートは4択なのですが、外れ選択肢にもデタラメなことは書いてない!

 

これは嬉しかったです。

勉強して知識が増えた分だけ、消去法で消せる選択肢が増えます。

 

デタラメ選択肢でも、勉強していれば消せるんじゃないの?デタラメなんだから。

と思う方もいそうですが、

デタラメ選択肢を許すと、デタラメすぎて誰も知らないものが出てくるんですよ。

 

つまり、正誤判断もつかないので残さざるを得ず、正解選択肢が分からない時に完全にギャンブルになるんです。

4択のうち最後の2択がどうしてもわからないときの絶望感ってすごいですよね。

 

その点ITパスポートは、多くの場合「この質問文の答えではないが事実である」選択肢が並ぶので、単語と意味が分かっていれば消去法の役に立ちます。

やり込むだけ合格率が上がる実感があるのはとてもいいですよね。

 

過去問とCTBにも慣れておくこと

私は毎朝、1日1章を1時間ほどかけて、「じっくり読む」→「練習問題を解く」ことをしていました。

根を詰めすぎると緊張しそうだし、ある程度長期で覚えておかなければいけないので、詰め込んで用が済んだら忘れるという記憶はしたくなかったのが理由です。

 

「あ~はいはい、へえ~なるほど~」などと一人でぶつくさ言いながら、知識としてインプットするイメージで参考書を読んでいました。

 

知っていることが多い章だと30分ほどで1章が終わることもあったので、

そういう時は、参考書についていた赤シートで隠せる用語集で、過去にやった章のおさらいをするようにしていました。

 

土日は時間があるので2~3章進めました。

(これは途中でスケジュール変更して、1日1章だと試験日前日にやっと読み終わることになってしまったため)

 

もういい大人なので、覚えた端から忘れていきます。

いい大人なのに電車の中で赤シート出してて懐かしい気持ちになりました。

 

そんなこんなで18時間ほど勉強しました。

最後の2、3日間くらいは一日一回過去問を解いて、苦手な部分の参考書を苦い顔しながら読んだりしていました。

 

過去問は「過去問道場」という有名なサイトがあって、

年度ごと、分野ごと、計算問題のみなど、色々な切り口でソートできるので便利です。

 

あとは、ITパスポートの公式サイトから、当日の試験で使うテスト画面を体験できるソフトをダウンロードできます。

テストセンターって結構くせがあるので、慣れておくために一度見ておくといいと思います。

 

私は多分先に見ておかなかったら、「字が小さいな!!」ってキレてました。

(字の大きさも変えられます)

 

ITパスポートの受験予約は全然取れない

というわけで受験に向けてです。

ITパスポートはオンラインで受験日を予約します。

 

勉強を始めて数日、「うん、これなら1か月もあれば大丈夫そうだから、1か月後くらいの日付で予約をしておこう」と感覚を掴んだ私は、ITパスポートの公式サイトを訪れました。

 

PCで受けるテストセンター型の試験なので、そうそう満席になんかならないだろうと思っていたら、満席の嵐で焦りました。

 

ただでさえ取りづらい席ですが、例年2・3月は受験者が増えるそうで、

とくに都市部は、私が探した1月末の時点で直近の受験日が4月みたいなところも多かったです。

 

香川県ですら(!)10日後の平日にしか空きがなく、1か月後くらいのちょうどいい日程はすべて満席。

 

1周終わった直後に受験するか、空きのある2,3か月後にするか・・・

悩みましたが、私はあまり長く緊張感を保てる自信がなかったので、10日後の平日に受けることにしました。

 

受験室に持ち込めるものと持ち込めないもの

これは会場ごとにも仕様が違うので一概には言えませんが、

私の受験した会場には控室にロッカーがあったので、基本的に試験室に持ち込みが許可されるものはありませんでした。

 

ただ意外だったのは、入室前に許可を取れば耳栓を試験室に持ち込めたことです。

各席にイヤーマフも用意されていたのですが、結構幅が狭くてきつかったので、自前の耳栓を持ち込めると知っていたら持ってきたのになあと思いました。

 

筆記用具も会場が用意したものを使用します。

計算用紙はA4が一枚だったので、計算スペースを結構贅沢使いしたい私としては大変でした。

もちろん、試験官に言えば追加の紙はもらえるそうです。

 

ITパスポートを受けた感想(シラバス6.0)

ぶじ受験を終えました。

試験開始直後、めちゃくちゃ焦りました。

 

おいおい、知らないことがたくさん出てくるじゃないの!?

 

参考書でも見たことない単語、見たことない計算問題、たくさん出ました。

でも、前述の消去法と、計算問題に関しては大抵の場合問題文をしっかり読めば解き方(操作方法)が分かるので、慎重にやれば大丈夫。

 

あせって時間を無駄にしないという意識さえあれば、沼にハマることはないと思います。

 

「あとで見直す」機能をバチバチ押しながら進めたら、一週目の時点で20問くらい残ってました。

 

合否結果は当日分かる(暫定)

ITパスポートは、暫定ながら、受験直後に採点結果が表示されます。

 

正式な合格通知は約1か月後ですが、よほどボーダーラインでない限りはここで安心できるということです。

 

比較的短時間の勉強で取得でき、結果もすぐわかるITパスポート

私としても、改めて社会人に必要な知識の整理ができたので、勉強してよかったです。

 

あと、「私、社会人になっても勉強してる!!」と思って自己肯定感が上がります(笑)

 

皆さんも機会があれば取得してみてくださいね。