2020年代の女は戦う!「透明人間」ネタバレ感想

2021年4月23日

なんだかんだ映画館へ行けずじまいだった「透明人間」が、

ついにアマゾンプライムビデオに来ました!

 

 

予告編が「あの〇〇の■■によるサイコ・サスペンス!」

みたいな煽りで観たくなったはずなのに、

 

〇〇も■■も、何だったか思い出せない・・・

 

監督かな? と思ったけど、監督リー・ワネル氏の代表作は「SAW」「アクアマン」

名作と名高いけど、私どっちも見てない・・・

 

うーん? 気のせいだったかなあ? と思ってたんですけど、

主演エリザベス・モス(の関連項目)を見て思い出しましたよ!

 

正解は、

「ゲット・アウト」「us」の

「スタジオ(製作会社)」によるサイコ・サスペンス

でした!

 

監督や脚本といったスタッフはかぶっていません。

 

「Us」や「ゲット・アウト」で描かれた社会風刺を期待して観ると、

テイストは違うかなと思いました。

 

「Us」の感想

繰り返される差別の歴史を思う「Us」ネタバレ感想

 

さて、個人的には本作、とっても面白かったです!

 

感想はゴリゴリにネタバレを含むので、気になる方は観てから読んでください。

 

あらすじ

天才科学者・エイドリアンは、巨万の富と権力を持ちながら、

恋人であるセシリアに異常に執着し、心身を強烈に束縛していた。

 

セシリアは、ある晩ついに彼の豪邸から逃げ出すことに成功する。

 

エイドリアンの追跡を振り切り、親友・ジェームズの自宅に身を寄せるセシリア。

 

エイドリアンの影におびえ、家の外にも出られない日々を過ごしていたある日、

セシリアのもとに飛び込んできたのは、

 

エイドリアンが自殺し、

遺言によって彼女が莫大な遺産を相続したという報せだった。

 

自由とお金を手に入れた喜びも束の間、

セシリアの周りでは怪奇現象が起こるようになり、彼女はひとつの可能性に思い至る。

 

エイドリアンの専門分野は「光学」

 

彼は身体を透明にする方法を見つけたのではないか?

 

そして自らの死を偽装し、いまこの時も、

裏切者の自分に復讐しようとしているのではないか?

 

果たしてセシリアは、

殺意を持った透明人間から逃げ切ることができるのか?

 

透明人間の基本的な3タイプ

ところで、

一口に透明人間と言っても、いくつかタイプがあります。

 

皆さんは子どものころ、どのタイプに憧れましたか?

 

① 透明マントタイプ

「ハリーポッター」シリーズの「透明マント」や、「天狗の隠れ蓑」など、

「中身が見えなくなる道具」で身体を覆ってしまうタイプ。

 

うっかり外れてしまうとモロ見えなので、自由度低めですね。

 

② ゴーストタイプ

見えない・さわれないタイプ。

透明人間サイドからも、現実の物体には作用できたりできなかったり。

 

映画「ゴースト」や石田衣良「エンジェル」では、

なんらかのコツを掴むとモノを触れるようになってましたね。

 

(ていうかそれは幽霊では?)

 

③ 透明”人間”タイプ

身体そのものが透明になるタイプ。

物理的にはそこにいるので、ぶつかったりさわったりできる。

 

ところで急に思い出したんですけど、

「インビジブル」の透明人間になる過程のシーンがめちゃ怖くてトイレに行けなくなりました。

あれ怖いよね。

 

ちなみに、血液中のヘモグロビンは透明にできないため、

このタイプの実現可能性は低いそうです。

 

逆に、大抵のものは透明にすることができるそうですよ。

一時期、透明のミルクティーとか流行ったもんね(?)

 

「透明人間」のルール

本作で登場するのは「透明スーツ」

 

①と③のハイブリッドで、

顔からつま先までを光学機能のついた全身スーツで覆っていたのでした。

 

目は見えるのかな? と気になりましたが、

目出し帽スタイルにすると目だけ浮いてもっと怖い映画になっちゃいますし、

 

峰なゆかが「タイツで目隠しされると微妙に透けるから目が合う」

って言ってたので、

 

多分そういうことだと思います。

 

2020年代の女は戦う!

主人公セシリアを見て抱いた感想は、

 

つ、強え~~~!!w

 

アカデミー賞の基準が変わったことの是非が議論されていますが、

「女性」の在り方も一昔前とはずいぶん変わったように思います。

 

かつては隙あらば眠らされて王子様を待っていたディズニープリンセスも、

最近では、エルサは一生おひとりさま覚悟のマイホーム建てちゃうし、

ラプンツェルも自力で脱出できちゃうし、

 

かなり自力で頑張ります。

 

いまリメイクしたら、

白雪姫は7人の小人の雇用主としてバリバリやってんですかね。

 

これまでの映画にいた「女性」

割と最近まで、フィクションの女性は基本的にヒステリックで、

変なところで日和ったりする足手まといに描かれてきたじゃないですか。

 

それ系で、

個人的にめちゃくちゃイライラさせられた映画は「サイレンス」

 

 

いや動くか動かないかどっちかにしろや! ってくらい、

主人公が中途半端に動いて被害が拡大するシーンがてんこ盛りでした。

 

とくに本作のセシリアのようにDVを受けていたキャラクターって、

なんだかんだに依存していて、

抜け出せない理由は自分にもあったという設定が付きがちだったと思います。

 

2020年代の女主人公は強い

これは一種のトレンドなんだと思いますが、

2020年代の女主人公は強い!

 

そもそもセシリアは、

冒頭の脱走からかなり危ない橋を渡っているガッツある女性。

 

ただし、

「バイオ・ハザード」のアリス、「ターミネーター」のサラ・コナーのように、

戦士として生きているわけではありません。

 

しかし、

元カレが透明人間ストーカーになったと確信するやいなや、

 

 

この顔ですよ。

 

来るなら来いよやってやるよと。

 

個人的にすごく好感が持てました。

そんなステレオタイプの女性像を全く無視して、

 

身体すべてを使って殴る蹴る。

元カレへの情? ないね!!

 

絶対倒してやるというセシリアの闘志。

よかったです・・・。

 

セシリアが強すぎて、もう途中から透明人間は怖くなかった。

 

特にラストシーンは、

もはや一番こわいのはこの人だというほどのイケイケっぷり。

 

「普通の女性」がここまで強く描かれるようになったというのは、

時代の大進歩なんじゃないかなと思います。

 

「透明人間」はグロい?

【透明人間 グロい】で検索した方もいると思います。

恒例のグロ診断です。

 

「透明人間」にグロいシーンはほぼありません!

 

内臓、一切出ません!

 

「Us」が平気な人なら、差し障りなく観られると思います。

 

拳銃や刃物を使用するシーンがそこそこ出てきますが、

出血量も多くなく、何かが飛び散るわけでもありません。

 

刃物シーンが少しある

刃物と出血シーンは数か所程度。

 

ただこちらも、「痛い痛い!!」というリアクションは全くなく、

スパッと切れ味抜群・即死系なので、苦手な人も一瞬目をそらす程度かなと。

 

また、挟まれるとか、

目になにか刺さるとかのシーンも登場せず。

 

あとは、びっくりばこ的な、心臓に悪い場面。

 

まあ相手が透明人間なのでそれなりにありますが、

なんせ透明なので、視覚的にものすごく怖いシーンはないように感じました。

 

主演エリザベス・モスのインタビュー

とにかく全編にわたって、

主演エリザベス・モスの怪演が光るとても良い映画でした!

 

そして、彼女のインタビューも興味深かったです。

 

――この映画に参加させてもらうことになって、私はワネル監督と話して、女性の視点を提供することになった。

女性として生きていると、何か意見を言っても、自分の考えが間違っているとか、自分が狂っていると思わされることはよくあるので。

ワネル監督はとてもオープンで、積極的に私の意見を取り入れてくれた。おかげで、自分の意見を殺されてしまった女性の心境が、しっかり描かれていると思う。

 

セシリアは作中で色々な人に、

元カレが透明人間ストーカーになっちゃった!

そこにいるの!

と話すのですが、当然取り合ってもらえません。

 

最終的に精神病院に入れられてしまうんですよね(笑)

 

全体的に、女性を支配しようとする男性と、

それに逆らって強くあろうとする女性が描かれています。

 

それは、エリザベスと、

彼女にヒアリングした監督の明確な意思だったのかなと思いました。

 

セシリアはもちろんのこと、ジェームズの娘・シドニーが

「パパ追い出してさ、一緒にケーキ食べよう? 女同士で」

とセシリアに声をかけるシーンが、精神的な強さがよく出ていて好きでした。

 

年が離れていても、女同士だから支え合える部分ってありますよね。

 

「Us」では、チャーミングで裕福な奥さまを演じたエリザベスですが、

今作では基本ヨレヨレの服に疲れ切った顔だったので、

終盤にドレスアップしたときの美しさのギャップにビビりました。

 

 

「透明人間」はU-NEXTでも観られます。