ニールに幸あれ「TENET」鑑賞ネタバレメモ

2021年7月5日

こんにちは。ついに「TENET」を観ました。

私のように顔が判別できない人間にとって、巻き戻し環境必須の映画だったなと思います(笑)

 

 

解説なんて大層なことできないので、

見せてみろお前の解釈をな……って方だけ見ていただければうれしいです。

 

ゴリゴリにネタバレなのでご注意ください。

 

「TENET」より遥かに理解しようと努力することが許されていた

クリストファー・ノーラン監督作品「インセプション」感想はこちら

 

登場人物と彼らの目的

主人公:特殊訓練を受けた軍人

目的:世界滅亡(≒第三次世界大戦・セイターの自殺)の阻止

 

ニール:主人公の相棒

目的:主人公に準ずる

 

プリヤ:主人公に、セイターを探るよう指示する老婦人

目的:世界滅亡の阻止

 

セイター:未来とのパイプを持つ武器商人

目的:世界滅亡(=アルゴリズムを集めて起動すること)

 

※セイターの脈拍が止まるとアルゴリズムが起動するようになっている。

※セイターは末期がん患者で、世界を道連れに自殺しようと目論んでいる

 

キャット:セイターの妻

目的:自らを傷つけた夫・セイターを殺すこと

セイターに弱みを握られ、息子を人質に取られている

 

 

「TENET」で私が忘れることにした要素

「TENET」の物語を読み解こうと努力しても、

私にはどうしても分からないことがありました。

 

もうそれらについては、一旦脇に置いておくことにしました。

 

主人公は何者なのか

序盤のテロのシーンは忘れることにしました。

 

「第三次世界大戦を止めよう!主役は君だ! オーディション」の会場だったってことでいいですよね?

 

アルゴリズムとは何か

未来人が作った、世界滅亡装置みたいなもの。

 

強力な武器なので、未来ではこれを巡る争いも起きている。

9つに分解されて過去(本作の時代)に送られ、バラバラに隠されている。

 

セイターはこれを集めて起動したい。

主人公たちはセイターがこれを集めるのを阻止したい。

 

回転ドアの仕組み

未来から送られてきた、時間を逆流できる装置。

面会室みたいになっていて、窓を挟んで時間がちょっとズレる。

 

逆行中の環境

息ができなくなるのでマスクを着けなければいけない。

終盤で逆行したメンバーたちは普通に過ごしていたけれど、

それがなんでかなんて知りません。

 

タイムトラベル系の名作と「TENET」

タイムトラベルを扱った名作はたくさんありますが、

時間移動の手法は大きく2つに分けられます。

 

過去の身体に精神のみ戻るタイプ

「バタフライエフェクト」「アバウトタイム」

「僕だけがいない街」「シュタインズ・ゲート」は、

過去の身体に精神だけが戻るタイプです。

 

現在の記憶を保持したまま過去の肉体に戻ることができます。

 

肉体ごと過去に移動するタイプ

一方、「バックトゥザフューチャー」や、

「ハリーポッターとアズカバンの囚人」は、肉体ごと過去に戻るタイプです。

 

過去にも自分自身が存在するため、

自分と鉢合わせしないように気を付けなければいけません。

 

「TENET」の逆行は、こちらのタイプです。

 

しかし「TENET」では、

過去に戻るにも関わらず、過去を変えることをしません。

 

むしろ「過去にあったこと」を利用して、

レイヤーを重ねるように新しい結果を作っていくようなしくみで、

ちょっと変わっているなと思いました。

 

対になっているシーン

作中、いくつか繋がっているシーンがあったので書き留めます。

巻き戻すときに参考になればうれしいです。

 

「TENET」というタイトル自体が折りたためるので、

アシンメトリーにエピソードが配置されていたりするのかな!?

と思いながら遡ったのですが、

 

別にそういうことはありませんでした(笑)

 

記録は未来に繋がっている

00:23:10ごろ

プリヤ「記録は未来に繋がっている。問題は未来が返事をするのか。」

 

02:23:10ごろ

キャット「キャノン・プレイス 3時」

 

主人公は、危険を感じたら居場所と時間を知らせるよう、

キャットに伝えていました。

 

おそらく、

未来の主人公は一度キャットの死を経験しています。

 

しかしキャットが遺した記録のおかげで、

逆行してプリヤの裏をかき、過去のキャットを救うことができたのでした。

 

海から飛び込んだ女

00:30:31ごろ

キャット「戻ると女が船から海へ。彼も消えていた。」

 

02:18:24ごろ

セイターを殺し海へ飛び込むキャットと、それを目撃する過去のキャット

 

自由に生きている「女」に嫉妬したと語るキャットでしたが、

実はそれは未来の自分自身でした。

 

ところで、

 

海に飛び込んでいるキャットがいる以上、

この時点でセイターは殺されているはずなのですが、

元気に登場するのはなぜでしょうか。

 

むしろ、初回の時点(キャットが主人公と出会う前)で

セイターが死んでいると世界が滅んでいるはずなので、

やはりこの時点ではセイターは生きて船を去っているはずなんですよね。

 

なのになぜ、キャットは逃げる女を見たのか?

 

「シュタインズ・ゲート」的に解釈するなら、

初回にキャットが「嫉妬した」女はやはり別人(遊び相手)で、

妻子が戻ってきたタイミングで逃走。

 

セイターが妻子を呼び戻したのも、

束縛以上の意味はなく、放置してどこかへ出かけた。

 

二回目の時間軸では、

逆行キャットが船にいたことで遊び相手は呼び出されなかった。

 

過去にキャットが目撃した状況を再現することで、

自らが目撃した事実の辻褄を合わせた。

 

……と考えることはできそうです。

 

俺が”主役”だ

00:23:30ごろ

プリヤ「セイターに近づくには”主役”が必要。あなたは若くて逞しい」

 

02:23:50ごろ

主人公「黒幕はあなたじゃなくこの俺だ。俺が"主役"だ」

 

メタ的には「そうですね、主役ですね」という感じなのですが。

 

実際にはこの「TENET」という物語全体が、

「第三次世界大戦を防ぐ」という目的のもと、

未来の主人公が過去の自分とニールに託した作戦だったことが明らかになります。

 

本当に主人公自身が、この、

「セイターの手から世界滅亡の起爆スイッチを奪取する作戦」の

黒幕=主役だったんですね。

 

これに関しては、

ニールの動きを追うことでより明らかになるのではないでしょうか。