心洗われる緑色の世界「苔の回廊」に行ってきた

千歳市にある「苔の回廊」をご存じでしょうか。

 

ポケモンに出てきそうな名前だな~と思っていたのですが、

ちょうどよく晴れた日があったので行ってきました。

 

 

紅葉のオレンジや黄色に、苔の緑が合わさって、まるで絵画のようでした。

 

苔の回廊とは?

1739年の樽前山の噴火活動によって生じた溶結凝灰岩が、

土石流によって次第に浸食されることで作られた、枯れた峡谷です。

 

長い年月をかけて、苔がみっちりと岩を覆いつくし、

幻想的な雰囲気の回廊になっています。

 

有名な「苔の洞門」は閉鎖中

かつて、同様に苔に覆われた「苔の洞門」という名所がありました。

 

 

日本蘚苔類学会が選定する「日本の貴重なコケの森」にも名を連ねるなど、

学術的にも貴重な景色でしたが、2001年に一部が崩落。

 

さらに2014年の大雨災害によるダメージで閉鎖を余儀なくされ、

現在は元の自然に戻す作業が行われています。

 

事前に場所の確認を

「苔の洞門」が苔をむしられるなどの被害に遭っていた前例もあってか、

「苔の回廊」は、観光案内ではあまりプッシュされていません。

 

前知識なしでたどり着くにはやや難解な場所にあり、

その分、たどり着くと、達成感も相まってとても感動します。

 

電波が届きづらい箇所もあるため、

山中のルートは事前に確認してから行くことをオススメします。

 

支笏湖を眺めながら苔の回廊へ向かう

私は今回、苫小牧駅から車で出発しました。

 

余談ですが、苫小牧駅から行くと、

セブンイレブン苫小牧木場町店が最後のコンビニです。

ドリンクなどがない場合はここで買っておくのが良いと思います。

 

紋別橋から山道へ

グーグルマップで、

「紋別橋」(モラップ)と検索した位置が、大体の入山位置です。

 

「紋別橋」と書いてあるプレートを目印に、

ガードレールを乗り越えて山道に降りていきます。

 

(車道を挟んで向かい側の「楓沢」からだったらもっと簡単に降りられたことに、帰ってきてから気づきました)

 

湖を背にして歩きだすと、すぐに特徴的な倒木があります。

 

 

行く手を阻むような、トゲトゲの大きな倒木。

ここがスタート地点です。

 

ただただ感動、苔の回廊

時々現れる、ピンクのリボンテープをたよりに山道を進んでいくと、

少しずつ苔むした岩が増えてきます。

 

そしてある地点から、

ふさっとした苔が一面に広がるようになりました。

 

 

苔の回廊に到着です。

 

 

前日までの天気によって、苔のみずみずしさも変わるようです。

私が行った日は少々くすんだ色味でしたが、十分な迫力がありました。

 

身長よりもずっと高い位置まで続く苔を見ていると、

不思議と心が穏やかになりました。

 

苔の回廊は運動音痴でも行ける?

「苔の回廊までの道のりはほとんど登山」と聞いていたので、

どのくらいの装備で行けばよいのか悩みました。

 

さらに、倒木や岩を乗り越えていくというのに、

運動音痴の私が本当に回廊までたどり着けるだろうかと。

 

結論としては、

体力に自信がなくても問題なくたどり着けそうです。

 

動きやすい靴と服装で

途中で出会った中には、

ワンピースの女性(!)から登山装備の方までいました。

 

私はこんな恰好で行きましたが、

備えて備えすぎということはないと思います。

 

 

トゲトゲの倒木の下をくぐったりすることもあったので、

フード付きのパーカーにしてよかったです。

 

虫や草かぶれの対策で、タートルネックのインナーを着て、

靴下もそれなりに長さがあるものを履きました。

 

木につかまってよじ登るシーンも多く、

軍手があったらもっと良かったなと思います。

 

靴に関しては、足が取られづらいものがオススメです。

元は渓谷だったこともあり、足元がやわらかい砂利道になっています。

 

写真では身一つですが、リュックを連れが持っています。

人数分の水・ウインドブレーカー・帽子・食料を入れていました。

 

ヒグマなどの自然動物に注意

苔の回廊や、近くの風不死岳・樽前山の散策にあたり、

注意すべきはやはり自然動物です。

 

苫小牧駅からの道中も、野生のシカを2~3頭見ました。

目の前で見るとやはり大きいです。

 

さらに、この辺りは、

ヒグマが頻繁に目撃されています。

 

シカもヒグマも、基本的には人間から逃げますが、

お互いのためにも出会わないのが一番です。

 

熊対策には真鍮製の鈴がいいらしい

私は本気でヒグマが怖いので、

熊鈴についてめちゃくちゃ調べました。

 

登山家の方のレビューを目を皿のようにして見ましたが、

真鍮製の鈴の音は、遠くまで響いて良いそうです。

 

結局、こちらを購入して持っていきました。

 


熊よけ下げ鈴(ベル) 大 (約60mm) 材質:真鍮鋳物

 

たしかに森の中でも、リーン、リーンという澄んだ音が、

心地よく、そして大きく響きました。

 

くまさんの元にも届いているに違いありません。

 

カラビナを買い忘れて、ビニール袋で取り付けた真鍮の鈴

 

前述のように軽装備・重装備いろいろな方がいましたが、

動物避けの鈴だけは皆さん必ず持っていました。

 

暗くなる前に出てくる余裕を

苔の回廊までの道は分かりやすいですが、まぎれもなく山の中です。

 

草木が茂っているので、

時間以上に暗く・寒く感じることもあります。

 

熊避けだけでなく、暗くなる前に戻れるよう時間に余裕を持ったりと、

山であることを忘れずに行動したいですね。

 

私たちも、15時ごろには紋別橋に戻ってきました。

 

おまけ:支笏湖のほとり

ちなみに、

紋別橋から逆側に歩くと、すぐに支笏湖のほとりに出ます。

 

明るいうちが綺麗なので、こちらもオススメ。

 

 

遠くに見えてくる水面がきれいで、つい走り出してしまいたくなる道。

 

 

空を映す水面がきれいすぎる支笏湖。

 

秋口の時点では、虫はほとんどいませんでした。

とても気持ちがよいので、苔の回廊に行った際はぜひ立ち寄ってみてください。