副作用はあるの? 低用量ピル10年目の記録

2021年5月14日

高校2年生の夏から低用量ピルを飲み続けて、約10年になります。

当時はピルは今ほど一般的でなく、「副作用で死亡例が!」など(ちょうどいまのワクチン報道みたいに)マスコミが煽っていた頃でした。

 

それでも、信頼できるお医者さんにかかって、副作用が起きていないかこまめにチェックしながら服用できたことで、不安なく過ごしてこられました。

生理痛もほとんどないし、出血量は少ないし、どうしても付き合い続けなければいけない身体の仕組みである以上、できるだけうまく付き合っていけるのがいいなと個人的には思っています。

 

私にとってはもはや生活の一部ですが、自分の周りで飲んでいる人は、今でもほとんどいません。

 

飲んでいない人には、そもそも生理痛も避妊も困ってないから・高いから・副作用が怖いからなど、色々な理由があると思いますが、飲みたいけど周りに経験者がいなくて迷っている人、とくに私が飲み始めたのと同じ学生さんの助けになればいいなと思って、記しておくことにしました。

 

顔中ニキビ&生理が止まって婦人科へ

高校2年生のときに突如、顔中がニキビだらけになりました。

「年ごろ」だからだと母も私も思っていました。

 

そのうち、今度は生理が止まりました。

 

小学5年生で初潮を迎えて以降、だいたい90日に1回のペースで来ていた生理が3か月経っても来ない。

これはおかしいということで、地域の婦人科に行きました。

 

問診の結果、おそらく不健康な生活習慣による女性ホルモンの乱れだろうと言われました。

当時、私は文科系の部活で忙しく、ろくに寝ずにPCと向かい合っていたのでした。

 

そこで、低用量ピルで女性ホルモンを整えることを勧められました。

 

血栓症が通常に比べて発生しやすくなるリスクについても説明を受け、こういった副作用のおそれについては、定期的な通院と内診でフォローしていきましょうとのことでした。

 

母は「どうする? あなたが決めたらいいよ」と言ってくれ、迷っていたところ、「そのニキビも多分よくなるわよ」と先生が言いました。

 

その言葉で服用を決めました。

 

正直なところ、当時は生理が止まることの重大性をあまり分かっておらず、「ピル飲んだら半年に1回採血するのか……イヤだなあ……」くらいに思っていました。

 

でもニキビはどうしてもいやでした。私も「年ごろ」だったので(笑)

 

今でこそニキビで皮膚科にかかるのは珍しくありませんが、10年前ではよほどひどくない限り「えーニキビで病院? 意識高~」という雰囲気で、とても病院に行きたいとは言い出せなかったんです。(プロアクティブとかやってる子が羨望の眼差しで見られてました。)

 

生理のペースを正しくするついでにこのニキビ面が治るなら! とすがる思いで、高校生にして低用量ピルの服用を始めたのでした。

 

ヤーズ配合錠を3年間服用

最初に飲み始めたのは「ヤーズ配合錠」

 

低用量ピルはお薬によって合う・合わないの個人差があるようなのですが、私はヤーズで特に副作用が出なかったので、16歳~20歳まで飲み続けました。

 

 

新しく生理がきた初日から飲み始める方法が一般的で、ヤーズの場合は、薬の列の上にあるオレンジの枠に曜日のシールを貼って、今日どれを飲むべきかわかるようになっています。

初めて見たときは、仕掛け絵本みたいだなあと思って驚きました。

 

3ヵ月に1回の通院と、半年に1回は血液検査。

 

通院の際は毎回、子宮の超音波検査と、足を揉んでむくみをチェックしてくれました。

(血栓症の初期症状にむくみがあるため)

 

今にして思えば、最初にかかったこの病院が、その後でも最も手厚い定期健診でした。

 

さて、低用量ピルを飲み始めて数か月で生理は約28日周期に安定。

ニキビもすっかりなくなり、本当にホルモンバランスだったんだと驚いたのでした。

 

色々な低用量ピルを飲んだ結果

しかし私が大学生になるころ先生が体調を崩され、通っていた病院がお休みになってしまいました。

そのうち私自身が地元を離れ上京したこともあり、今までで計5つの病院にかかっています。

 

病院ごとに取り扱いラインナップに違いがあるため、ヤーズを含めて4種類の低用量ピルを服用しました。

 

・ヤーズフレックス

最大3か月程度生理を止めたままにできる低用量ピルです。

逆に好きな時に生理を起こすことができるので、大事な予定があるときは調整ができます。

私は逆に「生理が来ないこと」が心配でそわそわしたので、結局28日周期のものに戻しました。

 

・トリキュラー28

 

・アンジュ28

 

副作用は出なかった

飲んだ感想としては、どれも同じ!

同じように生理周期が安定し、私はどの薬でも副作用はありませんでした。

 

むくんでるのかな? と思ってピルを一時やめたときも結局体重や見た目に変化はなく、ただ太ってるだけだと思い知らされるくらい、むくみもなく……。

吐き気もなく、また、定期検診や会社の健康診断で受ける血液検査でも異常値が出たことはありません。

 

ただ前述のとおり、人によっては合わなくて副作用が出る場合もあるので、特に初めてのお薬のときはお医者さんと相談しながら服用することをおすすめします。

 

値段も同じくらい

値段は、ヤーズが一番安くて月に2,000円程度、その他は月に2,300円程度でした。

低用量ピルは最近値下がりしたので、病院によってはもっと安く出してくれるかもしれません。

 

さらにジェネリックならもう少し安いそうですが、私のかかった病院では取り扱いがありませんでした。

 

病院選びは大事!

通院費は、大体1回当たり4,000円程度。

どの薬を処方してもらっても、3ヵ月に1回・約12,000円払う印象でした。

 

でも、病院の対応はまちまち。

少しでも「ん?」と思う病院はやめたほうがいいです。

 

私が行った中で一番簡素なところは「半年に1回先生と面談、その他は受付で薬をもらって帰るだけ」でした。

 

面談といっても採血もなく、ただ「お変わりないですか」「ハイ」「ではお大事に」という感じ。

季節の挨拶かな? みたいな。

 

先生の持論としては毎年健康診断受けるでしょ? 若いうちはその血液検査で十分」とのことでしたが、ちょっと不安でした。

 

それならもはや病院に行かなくても変わらないのではと思い、一時期は個人輸入でピルを取り寄せたりもしました。

結局不安になって、今は家の近くの病院に落ち着いています。

 

さすがに血液検査はしてくれるところが多いですが、超音波検査むくみチェックの触診を毎回してくれる病院は最初にかかった病院だけです。

 

健康に関してはいくら心配しても心配しすぎることはないので、自分がよいと思った病院に通うのが一番です。

 

まとめ

私の場合、ピルを飲み始める前は、2日目が地獄のような出血量で毎回貧血になっていました。

生理痛は周りに比べると軽い方でしたが、それでも初日はおなかが痛くて半日ほど何もできなくなりました。

 

この10年、ピルを飲んでいると生理痛がほぼありません。

 

経血の量がかなり少なくなるので、あのドッと出て身体が冷える不快感がなくなりました。

ちなみに脱毛もダブルでやると、本当に快適です!(笑)

 

人によっては避妊効果も高められる安心感もありますし、月に数千円の快適サブスクだと思えばけして高くありません。

(ちなみに、妊娠しづらくなるというのはデマだということが論文で証明されています)

 

ただ、この金額を気軽に出せない人がいるのも理解します。

 

私も一時期、この数千円が惜しくてピルをやめたら生理がこなくなり、焦って病院に行って結局高くついたりしました。

その話も今度書きたいと思いますが・・・

 

昨今「生理の貧困」が問題になっているように、こんなことに格差があってはいけないと思います。

せめて保険適用になる未来が来てくれることを祈ります。