台湾のSSフィルム「夜行バス(Night Bus)」ネタバレ感想

2021年6月24日

Twitterで話題になった「incident at school」が観たくて、オンラインシアターの「ブリリア ショートショートシアター オンライン」に登録してみました。

 

 

ブリリア ショートショートシアター オンライン

「ブリリア ショートショートシアター オンライン」では、

国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」が厳選した、

世界各国のショートフィルムを視聴することができます。

 

 

メアドとニックネームだけ入力して登録すると、すぐに視聴開始できます。

 

1本10分前後のショートムービーが多く、日本の作品もたくさんありました。

 

どっこい、肝心の「incident at school」は公開が終了していました。

せっかくなので、別の方がオススメしていた「夜行バス」を観てみることに。

 

追記)翌日からロングラン公開が始まり、「incident at school」も無事視聴することができました。

 

Joe Hsieh監督「Night Bus」あらすじ

 

最終の夜行バスで、乗客のネックレスが盗まれた。

 

この些細な事件が、やがて悲劇的な交通事故に繋がっていく。

 

なぜバスは、暗い沿岸の夜空の下、炎上するに至ったのか?

 

台湾製、20分間のショートアニメ。

 

「Night Bus」ネタバレ感想

台湾といえば、今年やたら台湾パインが出ていますね。

私も何度か食べてみましたが、甘くて柔らかくっておいしいです。

 

コロナが落ち着いたら真っ先に行ってみたい国のひとつです。

 

さて、ともかくこちら「Night Bus」

 

全体的に人間のエゴが詰まっていて、胸糞悪いシーンが多いのですが、

自分の行いはやがて返ってくるという、因果応報の展開になっています。

 

アニメだからこその思い切った残虐描写があり、

苦手な方は目をつむるところもあるかもしれません。

 

 

登場人物は、最終バスの運転士と乗客6名。

 

上記のカットは、

居合わせた人間に当然のように命令する成金ババアの登場シーン。

 

彼女の荷物を持ってやるなど親切な青年が最後に乗り込み、バスは出発します。

 

老害は国境を越えるんだなあ~と思いました(笑)

 

第一の事件

この 成金ババア 老婦人のネックレスが盗まれたことが、すべての始まりです。

 

すぐに犯人は見つかりましたが、婦人の怒りは収まらず。

袋叩きにして、犯人を縛り上げます。

 

この犯人というのが、冒頭で婦人の荷物を持ってやった親切な青年。

 

明らかにはめられています。

 

私はニブいので、終盤まで誰にはめられたのか分からないままでした。

多分、顔認識スキルが高い人なら、冒頭のシーンと併せてすぐにわかると思います。

 

実は青年は、乗客のひとりである妊婦の不倫相手。

夫からDVを受けている妊婦を救おうと、追ってきて同じバスに乗ったのでした。

 

しかし、二人の関係が夫にばれてしまいます。

ネックレスの窃盗事件は、夫が青年を陥れるために仕組んだことだったのです。

 

第二の事件

窃盗事件が一段落して再度走り出したバスですが、

道中、運悪く親子のサルを轢いてしまいます。

 

母猿の亡骸の傍らで悲しむ子猿をよそに、母猿の死体を海へ投げ込む人間たち。

 

母猿が轢かれる絵面は強烈です。

その死体を無下に扱う、乗客たちの人間性の低さにドン引きします。

 

第三の事件

母猿を処理している間に、

縛り上げていたはずの青年が逃げ出したことに気づく乗客たち。

 

怒り心頭の老婦人に命じられ、青年を探しに出ます。

 

このシーン含め、老婦人の品のなさが目立ちます。

 

妊婦の前にも関わらずお構いなしで煙草を吸ったり、

自分に盗みを働いた青年は絶対に連れ戻すのに、

夫婦が戻ってこなくてもさっさとバスを出発させたりと、

 

やりたい放題です。

 

おかげで妊婦と青年は助かるわけですが……。

 

さて、手負いの犯人はあえなく捕まり、

今度こそ逃がさないよう、麻袋に包んでバスに積まれます。

 

再再出発するバス。

 

母猿を殺された子猿はこっそりとバスに乗り込み、

人間たちへの復讐を始めるのでした。

 

親子の猿が象徴していたもの

猿は人間に姿が似ており、

本作でも鏡のように描かれているように感じました。

 

子猿が運転士に襲い掛かって、

母猿と同様に目を引きずり出している(こわい)のも、因果応報的です。

 

人間を憎んだ殺戮ザルは、バスの乗客を皆殺しにします。

そこへ妊婦と青年が現れますが、彼らのことは見逃して力尽きました。

 

善良な人間を見分けることができたのでしょうか。

 

ちなみにこの子猿、冒頭のシーンでザクロを食べていました。

ザクロは種子が多いことから、子宝のシンボルとして扱われています。

 

妊婦たちを見逃したのは、母親と自分を重ねたからかもしれませんね。

 

ちょっと救いがないラストでしたが、いい感じに胸糞の悪さとスッキリが混在していました。

アジアのアニメーション作品はあまり見たことがなかったので、色々観てみたいです!